小児歯科

小児歯科とは、子どもの歯を専門に診察する歯科医院で、虫歯の治療や予防だけでなく、歯並びの状態の確認や歯磨き指導なども行っています。
乳歯（子供の歯）は永久歯（大人の歯）とは違う特徴があるため、身体の成長に合わせてお口の状態をみていくことが必要です。

小児歯科は、お子様のお口の健康を専門にサポートする診療科目の1つです。
小児歯科ではただ虫歯の治療をするだけでなく、お子様の発達に合わせた適切な処置と、お口の健康を育てるためのアドバイスなども行っています。
特にお子様は、歯の生え変わりがあるため、歯や顎の成長に合わせて診療しなくてはなりません。

また、小さなお子様の場合、「歯科医院の雰囲気に慣れる」「器具に触れる」「診療台に座る」などといったところからトレーニングを始めて、徐々に歯科医院に対する恐怖心を和らげることから始めることもあります。

●虫歯治療

虫歯の進み具合に合わせて治療を行います。
虫歯が深くまで進行している場合は、神経を保護する治療や、根の治療を行うこともあります。

●シーラント

シーラントとはプラスチックの材料で歯の溝を埋める治療です。
歯の溝は汚れがたまりやすいため、シーラントで埋めることで虫歯を予防します。

●歯磨き指導

虫歯を予防するためには、虫歯の原因となる歯垢（プラーク）を除去しなくてはなりません。
そのためには、歯磨きが非常に重要です。
お子様への歯磨き指導はもちろん、保護者の方にも仕上げ磨きの方法を指導しております。

●フッ素塗布

フッ素は、歯質を強くするため虫歯予防の効果があります。
特に、生えてきたばかりの歯は歯質がやわらかくフッ素を取り込みやすいため、乳歯が生えてきたら、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

●乳歯とは

乳歯とは「子どもの歯」のことで、上下左右合わせて20本あります。
乳歯の色は乳白色で、透明感があります。
永久歯にくらべると歯質が薄いため、虫歯になりやすいといった特徴があります。

生後6か月ぐらいから下の前歯が生えはじめ、3歳ごろに乳歯がすべて生え揃います。
6歳ごろになると、歯の生え変わりが始まり永久歯が生えてきます。
やがて成長し12歳～14歳ぐらいになると、永久歯にすべて生え変わります。

●乳歯の役割

・噛むこと

乳歯の役割は、おもに咀嚼（そしゃく）をすることです。
食べ物をよく噛むと、消化器官への負担を減らし栄養も効率よく吸収されます。

・発音

歯がきちんと生えそろうことで、はっきりと言葉を発音することができます。

・永久歯が正しく生えるように誘導する

乳歯は後から生えてくる永久歯の場所を確保する役割があります。

・筋肉や顎の骨の成長

噛むことによってお口のまわりの筋肉や顎の骨の成長を促します。

●歯質が永久歯にくらべて薄い

乳歯は永久歯の半分ぐらいしか表面の歯質がありません。
そのため、永久歯にくらべて歯質が弱く、虫歯になりやすいといった特徴があります。

●虫歯になると進行がはやい

乳歯は歯質が薄く神経が大きいため、虫歯になると進行がはやく、すぐに神経まで進んでしまいます。

●虫歯が白い

乳歯の虫歯は白いことが多く、虫歯になっていても自覚症状がなく進行してしまいます。
また、白い虫歯は黒い虫歯に比べて進行がはやい傾向にあります。

●虫歯になっても痛みを感じにくい

乳歯の虫歯は、痛みを感じる感覚が未発達のため、痛みを感じにくいという特徴があります。

乳歯は虫歯になりやすいため、虫歯にならないようなお口づくりが大切です。
お子様の大切な歯を守れるよう「ご自宅でのケア」と「歯科医院でのメンテナンス」を併用しましょう。
こちらでは、ご自宅でのセルフケアの方法についてご紹介します。

●仕上げ磨きをする

小さなお子様は一人で歯を磨くことが難しいため、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげましょう。
乳歯の虫歯は「奥歯の歯と歯の間」「前歯」「奥歯の溝の部分」「歯と歯ぐきの境目」にできやすいため、仕上げ磨きではこれらの箇所に気をつけて磨きましょう。

●食器などの共用は避ける

虫歯は虫歯の原因となる細菌が原因です。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌は存在していませんが、スプーンや箸など唾液が付着した食器を介しての感染や、保護者の方からのキスなどから移ってしまいます。
感染予防のためにも、食器などの共用は避けるようにしましょう。

●甘い飲食物に気をつける

甘いジュースやおやつには砂糖が含まれています。
砂糖は虫歯菌が酸をつくる材料となりますので、おやつの時間を決めて、だらだらと食べないようにしましょう。

●フッ素入りの歯磨き粉を併用しましょう

フッ素は歯質を強くする効果があります。
うがいができるようになったら、フッ素入りの歯磨き粉もおすすめです。