入れ歯の
お悩み
（欠損歯）

入れ歯は歯ぐきの上に乗せて使用する道具であり、横幅が歯列よりも大きいため、違和感を覚えやすい傾向にあります。
そのほかにも使用した方にしかわからない問題や苦労が多く、なかには使用を中断する方もいます。

保険と自費のどちらで製作するかによっても仕上がりや使い心地が異なるため、しっかりと特徴を理解して製作することをおすすめします。
入れ歯でよくあるお悩みについてみていきましょう。

●使用中の入れ歯が外れやすい

食事や舌で軽く触れただけでも入れ歯が外れてしまう場合があります。
歯ぐきの上に乗せるベース部分の形自体が合っていない、噛み合わせに問題がある可能性が考えられます。

ベース部分の形が合わずにすき間ができた状態を放置していると、食べ物が入り込み歯ぐきが痛む可能性もあるため、注意しましょう。

 

●入れ歯の見た目が気になる

部分入れ歯の場合、バネが見えやすい位置にあると人目が気になってしまいます。
また、保険で製作した場合は素材の色に透明感があまりないため、実際の歯ぐきや歯との差が出やすく、一目で入れ歯とわかりやすい傾向にあります。

 

●入れ歯のせいで噛めない

入れ歯が合っていないと、痛みやズレが起きて、食べ物をうまく噛むことができません。
無理に使用を続けるとあごの骨の吸収が早まり、より入れ歯が合わなくなってしまいます。

 

●しゃべりづらい

入れ歯は違和感を覚えやすく、慣れるまでに時間がかかります。
とくに保険で製作した入れ歯は厚みがあり、範囲が広いとそのぶん違和感は大きくなります。
そのため、しゃべりづらさを感じやすいです。

 

●入れ歯をスムーズにはめられない

入れ歯をスムーズにはめられるようになるには、慣れが必要です。
複数の部分入れ歯を使用している方は、はめる部位を間違えないように気をつけましょう。

 

●臭いが気になる

入れ歯はプラスチックでできており、表面に傷がつきやすい特徴があります。
傷がつくと溝ができるため、そこに汚れがたまり嫌な臭いを発するようになります。

「入れ歯をお口に入れたままお手入れを済ませる」「洗浄剤を使わずに水洗いだけで済ませる」と臭いがつくリスクが上がるため、注意しましょう。

●使用中の入れ歯が外れやすい

入れ歯が外れやすくなっているときは次のような原因が考えられます。

・ベースの形自体が合っていない
・噛み合わせが合っていない
・バネがゆるい
・頬や舌の力が強い

噛んだときにガタガタする場合は、ベースの形や噛み合わせが合っていない証拠です。
噛んだときは問題なく、軽く引っ張ると外れてしまう場合は、バネのゆるさが原因と考えられます。

まれに頬や舌の力が強くて外れてしまうケースもあります。
どの理由であっても歯科医院での調節が必要ですので、まずは一度ご連絡ください。

 

●入れ歯の見た目が気になる

見た目が気になる原因の多くは次のとおりです。

・部分入れ歯の金属のバネが見えている
・入れ歯の歯ぐき部分と本物の差が目立つ

自費の場合は、透明感のある自然な色で、部分入れ歯のバネも歯ぐきと同じ色に仕上げられます。
前歯に使用しても一目で入れ歯とは気づかれないため、見た目が気になる方は自費での入れ歯も検討してみましょう。

 

●入れ歯のせいで噛めない

噛めないというお悩みの多くは、ベースの形が合っていないことで痛みが出ているケースがほとんどです。
ベースは硬いため、歯ぐきに強く当たると痛みが発生します。
強く当たっている部分は削り、すき間がある部分は専用の素材で埋める必要があります。

 

●しゃべりづらい

入れ歯に慣れるまでの間や、入れ歯が安定しない状態だとしゃべりづらさを感じます。
接客業の方や喋る機会が多い方には、違和感の少ない自費の入れ歯、ブリッジ、インプラントなど別の治療がおすすめです。
入れ歯が安定しない場合は調整が必要ですので、一度ご連絡ください。

 

●入れ歯をスムーズにはめられない

入れ歯の着脱に慣れていないケースが多く、鏡を見ながら練習をすることでスムーズにはめられる可能性があります。
部分入れ歯の場合は、ネジがきつすぎてうまくはめられないケースも考えられます。

また、欠損歯が1本しかない場合は、入れ歯を使わなくても食事ができてしまうケースが多く、長時間はめずに過ごす方もいます。
その場合、歯が動いて入れ歯がはまらなくなる可能性もあるため注意が必要です。

 

●臭いが気になる

長期間使用するとある程度の臭いはつきます。
プラスチックの性質上、何年も臭いがない状態をキープすることは難しいです。
毎日しっかり汚れを落として、その後に洗浄剤に浸け置きすることで、臭いがつくリスクを最小限におさえられます。

入れ歯のお悩みを抱えたまま使い続けると、お口の健康はもちろん気持ちの面でもストレスが溜まりよくありません。
放置することで起こる可能性のあるトラブルを詳しくみていきましょう。

●入れ歯が使えなくなる

歯ぐきに強く当たる状態のまま入れ歯を使い続けると、傷が治るどころか悪化して、入れ歯をはめられなくなる場合があります。
食事をとれなくなる可能性もあるため、痛みを感じたら早めに歯科医院へご相談ください。

 

●歯ぐきと入れ歯のすき間に食べ物が入る

安定しない入れ歯の多くは、歯ぐきと入れ歯の間にすき間ができています。
安定した状態で製作しても長期間使用すると「あごの骨が吸収される」「歯ぐきの位置が変わる」など変化が起こるため、徐々に入れ歯が合わなくなっていきます。

すき間があるとそこに食べ物が入り込んで歯ぐきを傷つける場合があるため、定期的に調整をして、しっかりフィットして安定する状態へと戻すことが大切です。

 

●人前で口を開けることが嫌になる

「入れ歯の金属のバネが見えている」「入れ歯に染み込んだ臭いが強い」場合は、人前でお口を開けることを避ける傾向にあります。
自費の入れ歯の場合は、審美性が高く、保険の入れ歯に比べると臭いもつきにくいため、人前でも安心して使用できます。

 

●ほかの歯の負担が増える

合わない入れ歯を使用していると、バネをかけている歯や別の歯に余計な負担をかける可能性があります。
ヒビや破折の原因となるため、全体でバランスよく噛める状態に改善しましょう。

 

●顎関節症のリスクが上がる

入れ歯が合わない状態は、多少無理をしてでも噛みやすい部位で噛んでしまうため、顎関節にも負担がかかります。
顎関節症の原因になるため、入れ歯の不具合を感じたら早めにご相談ください。

 

●誤嚥性肺炎のリスクが上がる

入れ歯の臭いが強い場合は、汚れが付着しているまま使っているケースも少なくありません。
入れ歯はかならず取り外して洗う必要がありますが、それを怠り、しっかり汚れが落ちていない状態の場合は、誤嚥（飲み込んだものが胃ではなく肺に入ってしまうこと）したときに肺炎を引き起こす可能性が高まるため、注意しましょう。

清潔な状態を保つことでリスクを最小限におさえられます。

入れ歯のお悩み一つひとつに真剣に向き合いながら、治療をすすめてまいります。
義歯・入れ歯の専門家である祖父（元東京医科歯科大学名誉教授の中澤勇）のやり方を引き継いでいるため、質の高い治療が可能です。

数多くの入れ歯のなかから患者様に合ったものをご提案させていただきますので、まずは一番叶えたい要望を伺います。
使い慣れた入れ歯をリメイクすることも可能です。

 

●丁寧な事前検査

視診や触診、入れ歯を作るための型取りはもちろん、必要であればレントゲン検査やCT検査などを行い、より詳しく状態を調べます。
カウンセリングにじっくりと時間をかけておりますので、入れ歯治療に関するお悩みや疑問点があれば遠慮なくお伝えください。
わかりやすく丁寧に説明させていただきます。

●入れ歯を正しく洗浄する

入れ歯は、通常の歯磨きとは別で洗う必要があります。
かならず取り外してから流水下で洗いましょう。
汚れは義歯用ブラシまたは普通の歯ブラシを使って落としてください。

その後、洗浄剤を溶かした液体に浸け置きします。
浸け置き時間は商品によって異なるため、間違えないように事前にご確認ください。
毎日正しく洗浄することで清潔な状態を維持でき、臭いや着色もつきにくくなります。

 

●噛んではめない

部分入れ歯で多い動作が、入れ歯を噛んではめる動作です。
バネが変形する原因ですので、かならず指の腹で押さえてはめましょう。

 

●違和感を覚えたら早めに調整する

入れ歯を使ったときに痛みや不安定さを感じたら、調整が必要な証拠です。
ほかの歯や顎関節へ余計な負担をかけないためにも、できるだけ早めに歯科医院へ相談しましょう。

 

●定期的に調整をする

どんなに合う入れ歯であっても、あごの骨や歯ぐきの形が変化することで徐々に合わなくなっていきます。
定期的に調整することが快適に使い続けられる1番のポイントです。
虫歯や歯周病のチェックや、普段落とせない汚れもクリーニングで落とせますので、定期検診は忘れずに受けるようにしましょう。